発注側と受注側の意識の溝を埋めよ
チームほぼひとりが長かったこともあって、発注側として立ち回ることが多くありました。
一方で、私のミッションは開発者としてお客様から受注したものを作る立場でした。*1
物販の場合はあまり意識の溝というのは生まれないかと思いますが、「受託開発系」で最近、目にした光景が余りあるものだったので、どうやったら発注側と受注側の意識の溝が埋められるか書きます。
遠回しになってしまいましたが、ここで言いたい受託開発系とは、受託開発、Webサイト制作などのIT系の開発/制作だと思っていただければと思います。
発注側の意識
発注を行うのは以下の理由のいずれか、あるいはそれらの複合的要因です。
- リソース不足(人、機材等のモノ)
- ナレッジ不足(やり方がわからない、プロに任せたい)
これを安く早く低コストで手に入れたいという欲求があります。
言い換えれば、以下のようになります。
- 自分たちの手を動かしたくない
- 言ったことだけではなく、プロとして全体を見て隙間を埋めて欲しい
- 支払うお金は少なければ少ないほど良い
発注するということは、もちろん上記を期待してますよ、という意識です。
受注側の意識
受注側は自ら持つ商材を提供します。
- 物品の提供
- サービスの提供
お客様が「欲しい」と思うモノを提供するわけです。
そこで働く意識は以下のようになります。
- お客様が細かく要件を伝えてくれる
- 要件定義で漏れた内容については極力対応したくない(追加費用をもらいたい)
- 受注後は能動的に動いて要件を膨らませないようにしたい
我々は受けてのため、言われたことはやるけどもそれ以外はやりませんよ、というスタンスです。
悲惨な状況に発展していく
上記に挙げた人たちが一緒に仕事をすると、以下のようなことが発生します。
発注側
- なんで自分たちがこんな作業をしなければならないんだ?
- こう言ったら、ここまでやるのが当たり前なのに拒否しやがる
- 追加費用ばかりで全然前に進めない
受注側
- 要件の伝え漏れなんだか、見積に入っているわけないだろ
- おたくの業務なんてわかるわけないのに何で要求されるの?
- 具体的指示もせずに何を作れっていうのか
両者、全く話が通じ合いません。
正直、上記で挙げたのは発注側も受注側も勉強不足と言えます。
しかし、そのようなマインドを持った人たちは非常に多く、愚痴を言っても仕方がないわけです。
お互い歩み寄れ、相手がどう考えているかわかるはずもない
このようなことが起こる根本的な原因は、お互いのことを過度に期待しているためです。
別に期待するな、という話ではなく相手が期待しても良いかどうかを見極める必要があります。
しかし、この見極めは非常に困難です。
営業段階の口約束も社長とかが出てくれば鶴の一声で簡単に破られてしまいます。
発注側はよりRFPのように要件を細かく伝えることも大事ですが、それ以上に「伝え漏れが発生すること」が「当たり前」であることを知るべきです。
また、受注側は「お客様が目的を達成するためには言われたこと以外の作業が増える」のが「当たり前」であることを知るべきです。
私が見てきた限りでは受注側は赤字を防ぐために、上記の認識を強く持っている人が多いですが、お金に無頓着で意識を持っていない愚か者も存在することを理解しましょう。
おそらく読んだ方は皆さん当たり前だと思っているかもしれませんが、起きるので油断しないように気をつけましょう。
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*1:厳密には多くの仕事は製品開発をしていて、受注できる製品を作ることが多々ありましたので若干語弊がありますが、受託開発の業務や営業同行もやっていましたので、その経験を元にしています。