エンタープライズIT系エンジニアのぼやっきー

特にまとまりもなく、色々なことをぼやきます。最近はオープンソースの業務系システムに興味あり。

BtoBマーケティングはゼロ円でできるのか

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スタートアップや新規事業でもっとも一般的なのは投資(社内キャッシュも含む)を受けて様々な方法でマーケティングを行っていきます。

しかし、一方では投資を受けられないケースも多々あるのが現実です。

そんな中で、一般認知度を上げることが非常に難しいBtoBというカテゴリーに絞って、ゼロ円マーケティングについて分析していました。

営業プロセスにおけるマーケティングのポジション

本題に入る前に、おさらいをしておきます。

よくあるBtoBの売上までの流れは以下の通りです。*1

  • 集客 → アプローチ → 商談 → 受注 → 納品 → 売上

この流れの中で、「集客」がマーケティングに相当します。 

ゼロ円でできること

1.マーケティングのゴール設定

集客のプロセスのため、BtoBのビジネスの場合はゴールを問い合わせ、またはサービスの申し込み(トライアルを含む)に設定します。

例えば、受託開発、物販などの場合は一度訪問と見積提出がある場合が多いため、問い合わせ数がゴールとなります。SaaSなどであればWeb上から無料トライアルを申し込んだ数がゴールに設定することもあります。

そのため、これから語る手法はゴールまで誘導するための手段となります。

なお、この段階でKPIの設定は数字遊びになり無意味です。全力でやる、それのみです。

2.ページ(HP/LP)制作、SEO対策

まず、最初は新規ビジネスのホームページ、ランディングページなどページ制作を行います。

wordpress+bootstrapなどを使えば簡単です。その中で、SEO対策もバッチリと行っていきます。この辺りはネット上に非常に豊富に情報があるため、素人でもある程度プロの手法を取り込むことが可能です。

さらに、Google Analyticsを利用して効果測定を行っていきます。

数日経ってもページへの流入ゼロ

新規で立ち上げたページが上位に組み込まれることはありませんので、何もしなければ流入ゼロであっても何ら不思議はありません。

特に、BtoBビジネスのキーワードは検索ボリュームが少なく、既にレッドオーシャンであるか、あるいは新しい概念のため検索されない事態が発生しています。

ここで、「やっぱりか」とちょっとがっかりしますが、気にせず淡々とやりましょう。

3.知り合いに紹介

ページ制作と前後する部分はあるものの、これも誰しもがやることです。

ただ、知り合いの数には限りがあるため、すぐに底を尽きてしまいますし、これだけで利益を生み出せる状態になりません。

4.セミナーを開催

とにかく集客をしないといけませんので、セミナー開催をやることもあります。

ただ、自社内に会議室があることなどゼロ円でやるにはややハードルが高い面があります。

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この辺りを使うことと、知り合いの会社の会議室を借りて、合同セミナーのような形にすることでゼロ円を実現することも可能です。

合同セミナーで相手先のターゲットリストを使うことができると、集客力が飛躍的に高まり、予想以上の効果を生み出すこともあります。

ただし、よほどのサービス/プロダクト力と相手との親和性がないと合同セミナーの実現自体が難しいため、実現性が分かれるところです。

5.ソーシャルメディアで宣伝

セミナーの集客の部分も含めて、facebooktwitterなどで宣伝も行います。

今まで知り合った人との繋がりが試される部分でもあります。

私はソーシャル系で積極的に友達(?)を増やしていなかったため、ちょっと後悔しました。

6.ブログを書く

要するにコンテンツマーケティングを仕掛けます。

ブログだけでなく、比較サイトやまとめサイトなども作成したり書き込みを行います。

難しいところはブログは100件ぐらいコンテンツを書かないとページビュー(PV)が上がっていかないなど、とてつもない労力をかける必要があります。

しかし、一度波に乗ってしまえば、ゼロ円の中で一番効果を発揮します。

有料広告に匹敵、あるいは凌駕します。

7.メルマガ配信

配信先リストはどうするのか、という課題はありつつも、これまでにメールアドレスを取得できた人たちに対してメルマガを配信しましょう。

週1回程度、内容は商材の紹介ももちろんのこと、関連するお役立ち情報など開封して読んでもらえる工夫をしていきましょう。

8.KPIを設定する

ここまでやってくると、そろそろ流入(PV)とコンバージョン(CV)の関係性などが見えてきます。そうなるとKPIを設定して、それぞれのマーケティング施策に対して改善を行っていきます。

1週間や1ヶ月というサービスやプロダクトの特性(リードタイムなど)を考慮して、改善と計測サイクルを決定してください。

ただし、私の経験ではBtoBビジネスであっても、最初は長くても1週間単位ぐらいの短いサイクルで回した方が良いと思います。*2

マーケティングはゼロ円でできる、しかし。

以上の施策をやって、1ヶ月経って高い効果を発揮できたのであれば、それは相当魅力的な商材を持ち合わせたか、運が良かったか、それともやった人がとても聡明だったのか、通常持ち得ないものがあっただろうと思います。

BtoBの世界で1ヶ月程度では正直ビジネスとは程遠い結果しか知りません。

最も期待できるコンテンツマーケティングの部分が効果を発揮するまで1ヶ月以上は掛かります。時間と内部メンバー(例え一人でも)の多くのコストを支払ってもゆるゆると立ち上がる形になります。

有料広告との比較

例えば、ゼロ円マーケティングで1ヶ月4,000PVだったとします。(1週間1,000PV)

facebook広告では100円=100インプレッション(広告表示)ぐらいです。

  • facebook広告に1ヶ月10万円かけると、1ヶ月で10万インプレッション獲得
  • 例えば、5%の人が対象サイトを訪問=5,000PV獲得

商材や広告の内容とターゲット層(性別、年齢、興味のあるキーワード)にもよりますが、平均5%ぐらいはいけると思います。改善を繰り返すことで、10%に引き上げることもできるでしょう。

では、金額を比較すると、

  • 0円マーケティング=1名=給与金額など
  • 有料広告=1社=10万円+クリエイティブ等の制作費など

これもいくつかのパターンが想定できるため、具体的な数字を差し控えましたが、残念ながら、金額と即効性を考えると有料広告の方がお得です。

ゼロ円でも可能だが、有料広告と組み合わせた方がいい

どうしてもキャッシュの都合でゼロ円でやらなければならない場合は、立ち上がるまでは知人の紹介などで稼ぐしかありません。あるいは今までの仕事をやりながら、新しい事業を立ち上げるような形です。

そうでなければ圧倒的に有料広告との組み合わせをお勧めします。片方だけではいずれ厳しくなります。

よくあるパターンは有料広告のみではいずれはターゲットが一巡してしまい、獲得できる顧客数が徐々に減っていくことです。減った分をケアしようとしてその他の様々な有料広告に掲載をし、気がつけば広告宣伝費が膨大に膨れ上がってしまっています。

それであれば潜在ニーズを喚起するためにコンテンツマーケティングなども地道に続けて、流入数を絶対に減らさない、増やし続ける姿勢を続けるべきです。

そうすれば、広告宣伝費を抑えつつビジネスを拡大し続けることができるでしょう。

 

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*1:途中のアプローチや商談の段階がないビジネスもあります。

*2:懸念として偶然の数字に影響されてミスリードしてしまうことですが、最初のうちはミスリードするような数字が出にくいため問題無いと考えています。