エンタープライズIT系エンジニアのぼやっきー

特にまとまりもなく、色々なことをぼやきます。最近はオープンソースの業務系システムに興味あり。

エンジニアは職人になれず、給与を取るか

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日本のIT企業ではエンジニアを続けることを否定されています。
昔の職人は生涯職人、死ぬまで技を磨いて非常に高いクオリティのモノを作ってきたと思います。

職人の地位の低下

モノ作りは日本以外でもできることや、品質を問わなければ若い人でも十分にできる現実があります。
また、100%の品質よりも90%、80%でコストを半分、それ以下などで生産した方が価格競争力という、一般的に訴求しやすい形で販売ができます。
そのことにより、一子相伝の技を持った職人よりもコモディディ化した安価な商品を販売する傾向が出たのではないかと思われます。

また、大量生産が求められる部分もあり、一人の職人ではなく大勢や機械での生産が必要になっています。

こうして、安く使える人が求められ、企業内の職人の需要がなくなってしまったと思われます。

エンジニアは職人か?

答えはYesです。
エンジニアは職人であり、経験や知識を蓄え続けることで素晴らしいモノ作りができるようになります。
インターネットなどで情報が集められるようになったとは言え、再利用性の高いコーディング、テストケースの作成、障害対応やそれを未然に防ぐための仕掛けは経験がなければ非常に難しい部分です。

少なくとも私が知る限りでは経験年数とコードの質は比例しています。*1

いつまでも技術トレンドについていけるの?

技術トレンドについていくことは一般的に難しいと言われています。
しかし、根本的な部分は私が知るこの20年ぐらいは変わっていないと感じています。

新しい言語、新しいデザインパターン、新しいライブラリが出てくる中で全てをキャッチアップを続けることは正直困難です。
しかし、特定言語の派生を追いかけることや、それに付帯するデザインパターンやライブラリを追いかけることは容易です。

少し飛躍しますが、自分の得意分野を追いかけることは可能だということです。

結局は概念として他の言語などでも使いまわせるものが多く、自分の得意分野以外でもそれなりについていけます。
ただし、流行などもありますから、得意言語を鞍替えするなどその辺りの柔軟さは必要かもしれません。

マネージャーの方が給与が高いという現実

一生エンジニア、職人でいられないのは給与面も大きく関係しています。

これは会社としても本人としてもあまり良くない傾向があります。
その人が目指す先がマネージャー、経営者であればそれを否定するものではありませんが、エンジニアを続けたいのであればその道もあってしかるべきです。
また、エース級のエンジニアは下っ端エンジニアの数倍の生産性と正確さを持っているため、高い給与を払うだけの価値があります。

例えば、こなれてきた新卒入社3年目のエンジニアよりも、10年エンジニアを続けた人の方が2倍ぐらいの生産性を発揮することがあります。
これは積み上げてきた知識の差や経験によって、一見難しいことでも簡単なものに落とし込むことで生産性につなげています。

しかし、給与を上げていく方法がマネージャーからのステップアップしかなく、仕方なくマネージャーになる人が多く存在します。

なぜ経営者は2倍の生産性の人に2倍の給与を与えないのか

2倍の生産性を「1」と見る人と、2倍の生産性を「2」と見る人がいます。

2倍の生産性を「1」と見る人

例に出した10年目の人が標準と見ています。
ベテランになってようやく会社に貢献できる1人で、それ以外は給与を出来るだけ払いたくないという気持ちです。
生産される質にフォーカスを当てている形です。

2倍の生産性を「2」と見る人

例に出した新卒入社3年目のエンジニアを標準と見ています。
そのため、2倍の生産性を持つ人は2倍とは言わなくても、1.5倍ぐらいならば平気で出す気でいます。
生産される量にフォーカスを当てている形です。

前者の場合に給与が上がらないという現象が起きます。
例えば、メーカー系です。とにかく質を求めるホワイトカラーな仕事です。

後者の場合は給与が上がります。
こちらはSI事業者や人材派遣などです。どちらかと言えばブルーカラーな仕事です。

職人目指すならメーカー系、給与はSI、人材派遣がオススメ

職人の火をつけやすいのはメーカー系

エンジニアとして、メーカー系とSI、人材派遣のどちらが良いかと言えば、メーカー系の方が好まれる傾向があります。
これは単純に研究開発が行えるため、かなりエッジの効いた技術を習得することができるためだと思われます。
SI、人材派遣の場合は幅広い技術を習得できますが、広く狭くになりがちで職人傾向の人には向いていないと判断されます。

直近の給料を取るならばSI、人材派遣系

最近はSI、人材派遣は人手不足に悩む会社が多くあります。
また、人月単価もリーマンショック以来、底をついていたのが上昇し始めているので給与を高くしても人が欲しいと思っています。
そのため、そのような業界であれば今の給与よりも高い金額で雇ってもらえる可能性があります。

職人を取るが、給与も諦めない

私は今年転職をしました。
細かい話は別の記事で書くとして、結論から言えば受けた会社のほとんどが給与アップの内示をいただきました。

正直、10名以下のベンチャー零細企業を中心に受けたため、その規模の会社になると上から数えたほうが早い金額になります。*2
とにかくその金額を提示していただいたことは今でも感謝していますし、何よりも自分がエンジニアとして知識を蓄え、技術を磨くことに注力したことが間違っていなかったと感じました。

しかし、今は内示をいただいた中で唯一、給与ダウンの提示をしてきた会社にいます。
これは私がやりたいことを実行できる確度が最も高かったため、そのような選択をしました。
ただ、それと同時にこれからの給与を飛躍させるための選択でもあります。

何が言いたいかというと、エンジニアは続けるし、給与も諦めません。
ただ、私の人生の目標は別のところにあるので、チャンスが巡ってきたら職業としてのエンジニアはやめると思いますが・・・。


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*1:若いからコードの質が悪いわけではなく、あくまで経験によると感じています。

*2:前職は東証一部上場企業で最後の役職は管理職だったので。。